歯周炎の急性炎症と慢性炎症

 歯周ポケットに関しては、先に記載させて頂いたように、歯から歯茎のはがれ具合のことです。
1~3mmは軽度、4~6mmは中等度、7mm以上は重度。

 一般的には、ゆっくり炎症が進むことが多いので気が付いたときには、つまり症状が出た時には重度になっていることもあるのです。ゆっくり気が付かない様に進む炎症を慢性炎症といいます。

 歯が浮いたり・噛んだときにいあたったり・歯茎が腫れたり、急に痛くなるのが急性炎症です。急性炎症が出て診査すると骨が大分解けていることが多いのです。今申し上げたように重度歯周炎になっていることが多いのです。

 この症状の出たり、出なかったりの繰り返しで歯周炎はさらに進行しやがて歯を抜く結果になりがちです。

 急性症状の出たときには、抗生剤の全身投与・ブラッシング指導・簡単な表面の汚れとり・消毒・時にはかみ合わせの調整・膿瘍切開などの緊急処置も必要になってきます。つまり急性炎症のときは、対処療法が優先する場合が多いのです。症状軽減の後に、根本的治療として徹底した歯の周りの掃除(クリーニング)を行ってきます。

 対処療法の後は、痛みもなくなり治療の必要性が薄らいでしまいます。これは本当に要注意です。

 根本的に歯石とり、すなわちクリーニングをしないと再び急性症状に見舞われる確率が高まります。

 急性症状後、歯周炎の状態を診査診断してもらい、十分なクリーニングをお受けになってください。

 さらには、日ごろよりご自分の歯周炎の状態を調べてもらい、定期健診をお受けになることをおすすめします。

歯周病専門医・指導医 志田哲也|川崎区川崎大師

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