GBR(Guided bone regeneration=骨再生誘導法)

 毎週水曜日は多施設の先生方といっしょに勉強会を行っています。インプラント・歯周炎・審美などです。 

 主にインプラントに関しては、論文(多くの先生が出したデータ)を中心に勉強を行ってきました。その中でもGBR(Guided bone regeneration=骨再生誘導法)は、勉強会の設立当初に行っていたテーマなので印象深く残っています。

 そのGBR(Guided bone regeneration=骨再生誘導法)とは、インプラント治療をするにあたり、骨がないとインプラント治療をするのが困難になります。そこで、骨を作ってインプラント治療を進める方法になります。顎の骨の無いところに、水平的に幅を増やしたり、時には垂直的に高さを増やし、骨を増大させる方法なのです。

 骨の無いところに、骨を作るため時間がかかってしまうという欠点はありますが、骨ができた時はインプラント治療が困難な場所でも進めることができるのです。

 根本的な考えは簡単に申し上げますと、歯茎がもともとあった骨のところに入り込んしまい、または骨の吸収が起こってしまったために歯茎が増えてしまった場合など、これらにより骨がなくなったとお考えになればと思います。その歯茎を骨の方まで入り込まないように壁を作りそのスペースに骨を作っていこうと言う原理なのです。

 1980年初頭スクリュウタイプのインプラント治療が歯科治療に応用されてわずか10年足らずの、1988年スウェーデン(イエテボリ大学)のDahlin先生が動物実験(ラット)でこのGBRを発表されて依頼現在まで1200本近い論文(データ)が出ております。

 GBR(Guided bone regeneration=骨再生誘導法)は歯周病のGTR(Guided tissue regeneration=組織再生誘導法)をDahlin先生が応用したところからきています。つまり、歯周病治療がベースになっているのです。

 骨の無いところに骨を作り、よりインプラントの適応範囲を広げていく方法の1つなのですが、適応範囲を広げる手法は他にもいくつかあり、後に記載していきたいと思います。

 

歯周病専門医・指導医 志田哲也|川崎区川崎大師

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